新年が始まり、仕事を再開する際の正しい表現は何か、そしてなぜその表現を用いるのか。
また、よくある誤用の背後にある理由とは何でしょうか。
さらに、「御用納め」とは異なる点は何か。これらの疑問に対して、明確な解説をしていきます。
「仕事始め」と「仕事初め」のニュアンスの違いや、適切な使い方、そして現代における一般的な誤用の頻度について知っておきましょう。
新年の業務開始は「仕事始め」が正解
年末年始の休業後、初めて職場に戻る日や新年に行う最初の業務を「仕事はじめ」と呼びますが、これを漢字で正しく表記すると「仕事始め」になります。
これは新年に仕事を「開始する」という意味合いであり、「始め」はまさに「スタート」のことです。
対照的に「仕事初め」という表現は、「初めて」という意味合いが強く、「初」は何かが始まることや最初を意味します。
従って、新年に仕事を「開始する」際には「仕事始め」が正しい表現となります。
誤用が生じる理由
誤った表現が使われる理由の一つに、コンピュータやスマートフォンの文字変換機能が関係しています。
特に共用のコンピュータや他人のデバイスを使用する際、「しごとはじめ」と入力すると、「仕事始め」と「仕事初め」の両方が変換候補として表示されることがあります。
これにより、使用者が間違った表現を選んでしまうことがあるのです。
また、新年になると「初日の出」や「初夢」などの「初」を含む言葉が頻繁に使われるため、このような表現への暴露が誤用を引き起こす一因になっているとも考えられます。
しかし、ここで大切なのは、新年に業務を「始める」日として「仕事始め」が適切であるという点です。
この表現を正しく覚えておき、新年の業務開始を適切に表現しましょう。
「御用始め」と「仕事始め」の意味と違い
「仕事初め」という表現に類似している「御用始め」という用語があります。
この二つの言葉の違いや使われ方について説明します。
年末年始の業務終了と開始の表現
年末年始の報道で耳にする「御用納め」や「御用始め」、そして身近な人が使う「仕事納め」と「御用納め」は、基本的には同じ日に行われる業務の終了と開始を指します。
- 「仕事納め&御用納め」は年内最終の業務日。
- 「仕事始め&御用始め」は新年最初の業務日。
「御用納め・御用始め」はやや古風なニュアンスを持ち、公務や公的な業務を意味することが多いです。
時代劇で使われる「御用だ!」というフレーズにもその意味合いが見られます。
官公庁と民間企業での言葉の使い分け
歴史的に宮中や幕府で使われていたこれらの言葉は、現在でも官公庁で使用されることがありますが、民間企業では「仕事納め・仕事始め」の方が一般的です。
1873年に公務員の休日を定めた法律の制定以降、「御用始め」は広く使われるようになりましたが、1960年代には民間でも普及していました。
しかし、時代の変遷とともに「仕事納め・仕事始め」という言葉が主流になりました。
NHKを含む多くのメディアは「仕事納め・仕事始め」という表現を採用しており、官庁も同様にこの用語を推奨しています。
それでも公務員の間では「御用納め・御用始め」という表現が使われ続けています。
証券取引所での特殊な表現
証券取引所では「大納会」と「大発会」という独特の言葉で、それぞれ年末の最終取引日と新年の最初の取引日を表現します。
まとめと正しい新年の業務開始表現
新年に業務を再開する際の適切な表現は「仕事始め」であり、「start」に相当する意味を持ちます。
「仕事初め」と間違えて使われることがありますが、これは「初めて」という意味合いが強く、正確な用法ではありません。
また、「御用始め」という表現も存在し、これは公的な業務に特化した用語で、歴史的に宮中や幕府で使用されてきました。
現在では、官公庁での使用が見られる一方で、民間では「仕事納め・仕事始め」が一般的です。
言葉の使い方は時代と共に変化していくため、将来的に「仕事初め」が正しい表記とされる可能性もありますが、現時点では「仕事始め」が正しい表記とされています。
ビジネスメールや挨拶状などでの使用には注意が必要です
コメント